The way he looks vol.33
こんにちは、塩沼亮潤です。
先日、ある方から、私の著書『縁は苦となる 苦は縁となる』(幻冬舎)という本のタイトルについて詳しく教えてください、と質問していただいて、改めて自分の中でも考えてみました。
「すべての物事には原因があり、結果がある」
この因果律を教えてくれたのが1500年前の釈尊です。釈尊の教えというのは、ご自身がヨーガ(瞑想)をして倫理観や道徳観といったものを悟られて体得した世界の因果律を中心に、当時の人々に「人としてこんなふうにしたらいいよ」と話されていた。それは、いいことをしたらいいことが、悪いことをしたら悪いことが返ってくる、という非常にシンプルなものだったと思うのです。
「縁」というのは、私たちがおぎゃあと産まれた瞬間から親子の縁が、生きていく中で出会った人との縁が広がっていきます。そのすべての縁に、どう感謝をしていくか、が大事です。
ただ、感謝できない縁というのもありますね。例えば、陰口・悪口を言う人、自分の邪魔をしてくる人……そんな縁に対して感謝できるか?と問われれば、私自身も昔はできませんでしたが、もしその人を遠ざけたとしても、またどこかで同じような人と出会ってしまう。だからこそ、そうした人との縁は苦痛ではあるけれども、どう自分が乗り越えて活かすことができるのか、それを説いたのが仏教だと思います。
今は、すべてに意味があるんだなと思えるようになってきました。苦となった縁も、それがあったからこそ今の自分があるんだな、と感謝の気持ちに切り替えると、逆にいい人たちとの縁が訪れてくれるようになります。
実は私が小僧の頃は、山ばかり歩いていたので、あまり勉強する時間がありませんでした。自分がどう生きていったらいいのかと試行錯誤する中で、そうだな、と体感で考えていたことが、後々に勉強していくと、仏教の教えと重なっていることに気がついたのです。
皆さんも日常の中で、「どうしてこんな目に遭うんだろう」「なんであの人は…」と思い悩むことがあると思います。ですが、相手を恨まず、憎まず。「忘れて捨てて許す」という言葉を心に持って、経験を積み重ねながら段々と気づきを深めていただければ幸いです。
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